やまざかり

山に関する情報を中心に発信しています。直近の目標は日本三百名山登頂。夢は大きくセブンサミット踏破!

【山行記録】2016年11月20日 妙義山 -いざ、日本が誇るアスレチックマウンテンへ!-

●プロローグ

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日本二百名山の一つ、群馬県妙義山に行ってきました!妙義山とは幾つかの山を合わせた総称で、表妙義と裏妙義に分けられます。その表妙義の最高峰が相馬岳(1,103.8m)です。今回は名勝の石門巡りをし、大砲岩などを回りつつ、相馬岳に登頂すると言う少し欲張った計画で臨みました。

cf.【山行計画】2016年11月20日 妙義山-日本を代表する奇勝を堪能する旅-

●恐るべし、群馬県

朝6時に集合して、関越自動車道にてのんびりと松井田妙義ICを目指します。日曜日の朝ということもあってか、道は全く混んでいませんでした。この日は快晴の予報でしたが、練馬からずっとキリ?モヤ?に包まれていて、天気予報は外れたのか…と残念に思っていました。後輩も「こんな天気じゃ登る意味ないっすね」と意気消沈気味。

が、群馬県に入った途端にモヤが晴れて、お天道様が顔を出しました。天気ってのはよくわからないですね。そして、群馬県、恐るべし。順調に進むことができ、 2時間ちょっとで高速を降りることができました。ICを降りてから、アプローチ口である中ノ岳神社までは約10キロで20分ほどです。高速からのアクセスがよいのは便利でいいですね。

●石門巡り

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中ノ岳神社に隣接する県営の駐車場は全部で400台ほど駐車できるそうですが、まだほとんど車がいませんでした。トイレも自販機もあり、整備されています。中ノ岳神社にも幾つか見どころがありそうでしたが、今回はパスしました。

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道路を少し下った先にある登山口から本日の山行を開始します。まだまだ紅葉は続いており、楽しく紅葉狩りができそうな気配です。

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まずいきなり、鎖場があります。その名も「カニのこてしらべ」。この先に待ち受ける数々の鎖場を予感させます。

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そこから少し登ったところで第一石門に到着します。思っていた以上に大きく迫力があります。自然の力はすごいなと思いつつ、くぐっていきます。

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そのまま進むと「カニの横ばい」「たてばい」などの鎖場ゾーンがやってきます。少し渋滞が発生していました。この二つをこなすと第二石門に行き着きます。やはり私は鎖場が好きなようで、とにかく楽しくて仕方がありません。

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くぐるとすぐに今度は長い下りの鎖場がやってきます。その名も「つるべさがり。」高さにすると30mくらいでしょうか。人によってはここで後戻りする人もあるだろうなと思えるくらいの鎖場でした。正直、初心者コースと喧伝することは如何なものかとこのとき思いました。

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その後「かたてさがり」と名もなき鎖場を二つを越え、第三石門へ向かいます。ここは行き止まりになっています。行けそうな道がありますが、行ってはいけません。親切な方が教えてくれましたが、そうでなかったら普通に迷い込んでいたところでした。

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来た道を分岐まで戻ってまたしばらく進むと、一気に開けて東屋に行き着きます。ここで休憩している人たちも多くいます。東屋の近くには第四石門があります。この石門も第一石門と同じくらい大きく、大迫力です。

と、ここまでが人気のハイキングコースである石門も巡りなわけですが、気軽な気持ちで、軽装で来ていい場所ではないというのが正直な感想です。とても危険という場所があるわけではないですが、事故が起きてもおかしくない場所は数カ所ありました。石門巡りはとても素晴らしい散策コースだと思いますが、初心者でも大丈夫と安易に喧伝するのは如何なものかと思いました。訪れる方はぜひ安全第一で!

●中間道を行く

さて、我々はこのまま中間道を進みます。次の目的地は大砲岩です。第四石門からは約10分程度です。分岐点から二つほど鎖場をこなすと大砲岩、天狗のひょうてい、胎内くぐりといった名所にたどり着きます。日本にもこんな場所があるのだなと思わずうっとりしてしまいます。山水画の世界です。

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大砲岩は先まで行くのに少し高度感がありますが、気をつけて行けば問題ないレベルです。ただ、十分に気をつけてくださいね。天狗のひょうていを登るには鎖場を登る必要がありますが、こちらも難易度は高くありません。登った先は平たくなっていて、10名くらい人がいても十分な広さがあります。皆さんのんびりと時間を過ごしていました。胎内くぐりについては直近で亡くなっていた方もいたので、今回は挑戦しませんでした。他に挑戦している人もいませんでした。

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さて、先を急ぎます。次の目的地はタルワキ沢との合流ポイントです。この先はかなりのアップダウンがあります。900m地点から、200段ほどはありそうな長い長い階段も含めて一気に下ります。困難な道というわけではないですが、上り下りが多いので、少し気が滅入ります。しかし途中に中国にありそうな、石のトンネルがあったり、巨大な蜂の巣があったりと飽きることなく進むことができます。そんな風にして歩みを進めていくと約60分ほどで東屋につきます。ここで少しだけ休みます。

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その後15分ほどで本読みの像(中間道中間点)に行き着き、更に20分ほどでタルワキ沢コースに合流します。ここからは一気に相馬岳頂上を目指します。「ジコボウシ」の標識で気が引き締まります。そういえば、「鷹戻し」は当分の間通行止めという標識が出ていました。いつ頃に通行可能になるんだろうか。

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●山頂へ直登

タルワキ沢から相馬岳を目指す登山道はどちらかというと荒れている方でした。700mから1100mまで400mを登ります。急登というわけではないですが、一部鎖場があります。難易度は高くないです。頂上までは約1時間ほどです。ルート案内がしっかり残っているので、見落とさないように注意しながら登ります。途中でおそらく山岳事故で亡くなった方に向けたレリーフがありました。そういえば、妙義山は山岳ベース事件の舞台でもあったということを帰ってから思い出しました。いろんな側面を持った山ですね。

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予定通り1時間ほどで頂上に到着しました。頂上は平たくなっていて、休憩スペースは十分にあります。森林限界以下ではありますが、それなりの展望はあります。一方には浅間山が聳え立っています。一方には金洞山のギザギザの稜線とその奥には船のような形が特徴的な荒船山と、その奥には八ヶ岳連峰が確認できます。友人が持ってきたポケットティッシュにはどこかで見たことがありそうなキャラクターが堂々と使われています。ギリギリアウトですね。

あと先輩の女性が持ってきた木製のカップがかわいかったので、今後自分で作ってみようかなと思います。それにしても、このカップが荒船山に見えるのは私だけでしょうか。頂上では、コッヘルでお湯を沸かし、インスタントラーメンを食べつつ、コーヒーを飲んで、ゆったりと過ごしました。

●下山-二つの予想外-

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だんだんと日が沈み始めたので、下山を開始します。当初は来た道を降り、中間道より更に一本下の道を通って、石門入り口まで戻ろうかと考えていました。しかし、来た道をただ戻るのはつまらないなと思い、予定はしていませんでしたが、バラ尾根を下り、堀切にでて、そこから中間道に戻るというルートに変更しました。 コースマップにも「難」という表示があったので、どんなものかなと少しの不安といくらかの高揚感がありました。鷹戻しに関する注意だらけです。

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勾配が急だと感じる場所はほとんどなかったですが、数カ所鎖場がありました。あとは、ルートが明確ではなく、迷い込みやすいなと感じました。もちろん、目印は所々にありますが、暗くなるにつれて視界が狭まり、何度か間違いそうになりました。そして何よりも、幾つかのピークを渡っていくため、上り下りが連続し、気が滅入りました。 堀切の手前に一箇所だけ「これ・・・鎖場が使わないで登るのか」という場所があり、そこの高度感はなかなかのものでした。下も横も絶対に見ないで、手元と上だけをみようと言い聞かせ、必死に登りました。ほぼ垂直でした。

●日暮れと焦り

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あたりはどんどん暗くなるし、この日はヘッドライトを持っていなかったのもあり、気持ちは相当に焦っていました。いつまでたっても堀切につかないので、通り過ぎてしまったのかなとも不安になりました。なので、堀切に無事着けた時は本当に安心しました。堀切からは約15分ほどで中間道に戻れます。ここも特に危険を感じるような場所はありませんが、ルートがわかりにくかったです。 中間道に戻れた時の安堵感は半端なかったです。ただ、まだここから一時間ほどの行程がのこっているので、急ぎます。

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時間はこの時すでに16時であたりをどんどん暗闇が支配していきます。途中であの長い階段が出てきます。ここが今回の山行で一番キツかったです。登りきった時の息切れは凄まじかった・・・。 石門を一つずつくぐっていき、鎖場もこなし、第一石門にたどり着いた時には17時をまわっていました。ここまで来ればもう一安心です。登山口に戻った時には本当に安堵感でいっぱいで、一気に肩の力が抜けました。自分だけならまだしも、今回は友人二人と一緒だったので、本当に安心しました。

と、このような形で今回の山行は幕を閉じます。想定外の事態はあったものの、今回も最高に楽しい山行になりました。今回はビビリ岩にも行くことができなかったですし、鷹戻しの踏破や縦走もできなかったので、レベルアップしてからまた次来たいと思います。

登山後の温泉

妙義ふれあいプラザ 妙義温泉「もみじの湯」

料金は大人510円。露天風呂もあり、サウナもあります。設備も綺麗で、休憩室もあり、これで510円はコスパいいなと思います。大満足でした。

採点

総合 ★★★★☆

・難易度★★★☆☆

鎖場も多く、またタルワキ沢コース頂上への道のりは他のルートよりは簡単だとは思いますが、それでもなかなかの急登です。前日の雨が残っており、とても滑りやすかったのが印象的です。

・コスト★★★★☆

駐車場はタダだし、近くの温泉もコスパが良いので、コスト的にはかなり優秀な山だと思います!

・楽しさ★★★★☆

鎖場も多く、アップダウンの多い登山道のため、飽きる事なく楽しめるのではないかなと思います。一方で鎖場が苦手な人には少し辛いかも。

・景色★★★★★

石門巡りだけでも十分楽しめるくらい、石門のインパクトは強いです。なかなかこんな風景にはお目にかかれないと思います。またその他にも奇岩だらけで、まさに石の殿堂の様相を呈しています。この日は快晴で、まだまだ紅葉真っ盛りということもあり、最高の条件が整っていました。

総括

起伏に富んだ自然のアスレチックを満喫することができました。石門巡りはハイキングという認識もあるようですが、鎖場もあり、落石の危険などもあるため、軽装で、安易な気持ちで訪れて良い場所ではないと考えます。しっかりと事前調査、準備を行った上で、訪れて、楽しんでいただきたいなと。偉そうな物言いになりますが。

さて、個人的な反省が二つあります。

1.下調べをせずに急遽下山ルートを変更したこと

予定ルートを急遽変えてしまい、どのくらいコースタイムなのか調べもせず、しかも冬に近づき日暮れが早くなっていることを考慮せず、結果として日暮れまでに下山はすることができませんでした。

2.ヘッドライトの装備を怠ったこと

事前の計画では日暮れ前に下山できる予定であり、荷物になるからとヘッドライトをザックに入れませんでした。しかし、今回の山行で日暮れの時間は先だとしても、山中にいると木々や山陰が日光を遮るため、実際には日没よりもよりも早く暗くなっていくのだということを実感しました。ヘッドライトがなくても携帯のライトで照らせばいいかなともおもいましたが、二つの点で望ましくないと思うに至りました。

一つ目は手がふさがってしまう事。暗くなっている中でバランスを崩した時、片手でしか身体を守れないのか、両手を使えるのかによって結果は大きく異なるかなと思います。二つ目は光量の違いです。携帯のライトで何とか足元、手元は照らすことができますが、遠くまで照らすことはできません。これは目印やトレースを見逃し、道迷いに陥る可能性を大いにあげることにつながると実感しました。これからは計画外、不測の事態に備えて、必ず常にヘッドライトは持っていくようにします。

コースタイム

09:30 中ノ岳登山口

09:35 第一石門

09:45 第二石門

10:05 第三石門

10:10 第四石門

10:20〜10:40 大砲岩

11:30〜11:55 東屋(中間道)

12:15 本読みの僧

12:30 タルワキ沢分岐点

14:00〜15:15 相馬岳

16:30 堀切

16:45 中間道分岐

17:30 中ノ岳登山口

山行データ

歩行距離:6.33km

行動時間:6時間30分

累積標高:2,026m

費用

高速料金(練馬〜松井田妙義):3,340円×2=6,680円

参考情報 

 

以上になります。

読んでくださいましてありがとうございました。皆様の参考になれば幸いです。